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飲食店「精神的ダメージ大きい」 コロナ禍で目立つ“無断キャンセル”理由とは

SankeiBiz編集部
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 新型コロナウイルスの感染拡大が各地で続く中、飲食店の予約をしたにもかかわらず、「体調不良」を理由に来店しない“無断キャンセル”が全国で急増していることが19日、分かった。新たな感染者が2日連続で過去最多を更新。東京都が感染状況を4段階のうち最も高い警戒レベルに引き上げるなど感染拡大の勢いは収まらず、客足の鈍化を懸念する飲食店にとって「No Show」(姿を現さない)と呼ばれる無断キャンセルは死活問題だ。

 「無断キャンセルされると精神的なダメージが大きく、モチベーション的にもつらくなる」

 東京・西麻布の懐石料理店「伊勢すえよし」の店主、田中佑樹さん(32)は無断キャンセルされた経験をこう振り返る。予約がある限り他の客を入れることができない上、仕入れた食材を次の日に回すこともできない。店側が被る損失は大きい。2018年に世界最大の旅行サイト「トリップアドバイザー」が発表した「日本のベストレストラン」3位に選ばれたことで、多くの訪日外国人観光客が訪れるようになったが、無断キャンセルが相次ぎ、海外から予約を受け付ける場合は事前決済にするなどの対策を講じたという。

 経済産業省が2018年に公表した「対策レポート」の推計では、無断キャンセルによる被害額は年間約2000億円に上る。インターネットの予約サイトの普及で予約が容易になったことで増加傾向にあり、深刻な社会問題となっている。昨年11月には、居酒屋に偽名を使って電話予約し無断でキャンセルした男が、偽計業務妨害容疑で警視庁に逮捕される事件も起きた。

 コロナ禍の影響で、今年は無断キャンセルの理由にも異変が生じている。これまで無断キャンセルの理由で最も多かったのは「場所確保のためとりあえず予約」だった。しかし、今月6~9日、飲食店の予約・顧客管理システムを開発する「テーブルチェック」(東京)が、20~60代の男女1113人を対象に調査した結果、無断キャンセルの理由として「体調不良」を挙げた人が昨年の前回調査(6位)から急浮上し、今年は2番目に多かった。

 一方、コロナ禍で打撃を受けた飲食業界を支援する「Go To イート」事業で、ポイントが付与されるグルメサイト予約した人の無断キャンセル率は3.3%で、通常(約1割)の3分の1にとどまることも判明した。同社は「来店して獲得できる還元ポイントが誘因となり来店傾向が強まっている」と分析している。

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